合祀墓について

水子とは?

水子(みずこ)とは、妊娠中に流産、中絶した胎児、また死産、および生後1年未満で亡くなってしまった赤ちゃんを示す言葉です。

語源は、日本神話の神として祀られている「水蛭子」や、貧困や飢饉に見舞われることが多かった江戸時代に、致し方がなく間引き(嬰児殺し)した赤子を川に流す習俗から「水」をあてがわれたとも言われています。

日本では、水子として亡くられた場合、天寿を全うしていないことや、今一度、生まれ変われることを願ったりする考え方が浸透しているため、亡くなった人を浄土に送ることを趣旨とする葬儀は執り行わないのが一般的です。

昨今では、妊娠中の不慮な流産や死産といった場合のみならず、個人的な事情により、やむを得ずに人口中絶を選択せざるを得ない方も少なくありません。

水子として亡くなられてしまった経緯は様々ですが、お腹に宿した生命に対し、申し訳ないという気持ちや浄土で幸せに過ごして欲しいという気持ち、また短過ぎる我が子の人生をどう受け止めれば良いのかわからなくてなってしまう方も大勢いらっしゃいます。
 

合祀墓とは?

合祀(ごうし)とは複数の霊を合わせて祀るという意味で、合祀墓(ごうしぼ)とは、複数人の遺骨を一緒にして納骨するお墓のことを指します。

合祀墓には、大きく分けて代々墓と永代供養墓の2種類に分けられますが、一般的な合祀墓は永代供養墓のことを指します。

代々墓

お墓とは、故人1人につき1体建てるのではなく、一家、一族と言った血縁関係のある者同士の遺骨のみ、同じお墓に納骨するのが古くからの習わしです。

このようなお墓のことを代々墓と言います。

代々墓では、遺骨を骨壷に収めた状態で納骨しているので、遺骨を取り出して、別のお墓に移すことが出来ます。

ただし、代々墓に収められる骨壷は3つ程度が限界なので、先祖代々から受け継がれたお墓の場合、新しい骨壷を収めるために、古い骨壷の遺骨を墓内の土が敷かれた部分に散骨する場合があります。

永代供養墓

永代供養墓とは、夫婦、親子、親戚といった血縁関係がない人同士の遺骨を1つのお墓に納骨するお墓のことです。
  
複数人の遺骨が納骨出来るように通常の数倍程広い敷地と墓石や供養塔などで出来ており、骨壷に納めずに散骨して納骨します。

従って、一度納骨してしまうと、特定の故人の遺骨だけを取り出すことは二度とできません。

ただし、他人と遺骨が交わることに抵抗感を感じてしまう方のために、遺骨の布袋にいれて方法で納骨している合祀墓もあり、この場合に限っては、後から特定の故人の遺骨だけを取り出すことも可能です。
 

水子のためのお墓

水子として亡くられた場合、葬儀などは執り行わず、地蔵尊を建てて供養するのが古くからの習わしです。

地蔵尊とはお寺の境内などにある”お地蔵さん“のことで、お地蔵さんは水子の霊が極楽浄土に向かう際の水先案内人としてあがめられています。

このようなお地蔵さんのことを”水子地蔵“と言い、水子のためにお墓を建てる場合、多くの方がお地蔵さんを象った石像や供養塔をお墓の墓石に選択されます。

水子地蔵はお寺の境内でもなるべく人目につかないような場所にひっそりと建てられるのが古くからの慣習でしたが、1970年頃から妊娠中、生後1年未満に亡くされた胎児や赤ちゃんに対する供養の大切さが浸透しはじめました。

最近では、当院をはじめ、水子供養のための合祀墓を見晴らしの良い場所や多くの人がお参りしやすい場所を選んで建てているお寺や霊園が増えつつあるのが実情です。
 

水子のための合祀墓とは?

水子のための合祀墓とは、複数人の水子の遺骨を同じ墓内に散骨という方法で納骨する合祀墓のことです。

納骨される故人は水子に限定されるので、供養は水子を対象としたものが執り行われ、また水子を極楽浄土に導くと言われている水子地蔵が墓石、供養塔、もしくは墓碑の周囲に建てられます。

当院では水子を供養するための供養塔が建てられた合祀墓に納骨いたします。
 

水子専用合祀墓を選択する理由

昨今の水子とは、妊娠中の流産、人工中絶された胎児、および、出産の際の死産、生後1年未満に亡くなった赤ちゃんのことを指します。

人が亡くなられたときには、葬儀、49日法要、納骨といった流れを踏むのが一般的ですが、水子として亡くなられた場合、このような供養を選択される方はごく僅かです。

それは水子としてお子さんを亡くしてしまった場合、大半の親御さんは、水子の存在を他人に知られることや、成人と同じような供養を執り行うことを望まないからです。

これは、

  • ・出産という選択せずに自ら胎児の生命を奪う、人工中絶を選択した。
  • ・流産、死産に対する精神的ダメージや罪悪感から立ち直れない。
  • ・あまりにも短すぎる人生だった我が子に人生を全うした人と同じ供養をしたくない。

などが理由として挙げられますが、我が子を愛する気持ち、申し訳ないという気持ち、もう一度、生まれ変わって欲しいといった様々な気持ちも強く、このような気持ちはなかなか消えるものではありません。

水子専用合祀墓とは、このような方たちが我が子に対し、せめてものという想いで選択される供養方法なのです。
 

水子専用合祀墓 晶月院の特徴

晶月院は、山形県鶴岡市の華典霊園に水子専用の合祀墓を持ち、水子の供養、納骨、管理を行なっているお寺です。

本院は、形式や仕来り、慣習にとらわれることなく、純粋に水子として亡くなられた我が子を想うことこそが、本来の供養の在るべき姿と考えています。

仏教や宗派の習わしなどに囚われることなく、どなたでも失ってしまった我が子のためにお墓にお花をお供えし、読経してあげたいと想う気持ちこそ、水子の供養にはとても大切なのです。

供養だけでなく、供養塔への納骨(散骨)も可能です。

晶月院は檀家制度のお寺ではないので、檀家様でなくとも、水子として亡くなられた方に、誠心誠意を込めて、供養させて頂きます。

また当院は水子として亡くなられた方のための供養塔を建てております。

納骨堂などに遺骨を保管する方法の永代供養ではなく、水子霊が迷う事なく極楽浄土に辿り着けるよう、散骨という合祀墓への納骨にて、埋葬させて頂きます。

当院が定期的に執り行う永代の供養だけでなく、いつでも霊園に訪れ、供養塔の前で手を合わせてお参りし、自らも供養して頂けます。

当院が責任を持って永代に供養、管理いたします。

当院から遠方にお住いの方や忙しくて供養にいらっしゃる事が困難な方を配慮し、当院が責任を持って、永代に、供養、管理させて頂いています。

また自然の理ではない事情により、やむを得ない選択を決断された場合、自分が下した決断そのものに酷い罪悪感を覚え、水子として亡くなれた我が子の前で供養ができない人も少なくはありません。

こういった事情をお持ちの方が、いつか水子として亡くなってしまった我が子が眠っている供養塔にいつでも赴く事が出来るように、当院では責任を持って供養、管理させて頂いています。

合祀墓なので、高額な費用を心配する必要がありません。

晶月院のお墓は、同じ供養塔に複数人の水子の遺骨を納骨する合祀墓という永代供養墓に埋葬されます。

他の水子の遺骨と一緒になってしまうため、一度納骨すると二度と取り出す事が出来ませんが、複数の水子と共に、安らかに眠れることや、心細い思いをせずに極楽浄土に旅立てることを思えば、合祀墓も立派な供養と捉えることが出来ます。

また、合祀墓は、たくさんの人たちで費用を出し合って建てたお墓でもあるため、ご遺族あたりの負担が少なく、実は公共性も非常に高い供養方法なのです。

水子として亡くなられたお子さんを納骨するためのお墓を買うのが経済的に困難な方も大勢いらっしゃり、晶月院では、1人でも多く方が水子供養を出来るよう、極力費用を抑えた供養方法を提案させて頂きます。